ステンレスについて
昨今、鉄という材料は安価というイメージが、ステンレスは逆に高価というイメージをお持ちの方が多いかと思います。
確かに材料の価格はサイズにもよりますが、価格は鉄に比べステンレスの方が3~4倍するのが通常ですし、加工性が悪いので同じ加工内容でしたら通常やはりステンレスの方が価格は上がります。
しかしながら、弊社の場合はステンレスの方が安価になります。
1mを超えるような大きな材料になりますと、材料費の分、ステンレスの方が高くなる場合もありますが、弊社では大きな部品は余り扱わない為、コストを占める割合は加工費の方が高くなります。
では、何故ステンレスの加工費が安く済むのかと申しますと、鉄系の材料の多くは寸法精度が出しにくいのです。
弊社では、0.01mm以下の精度を必要とする部品を多く扱いますが、鉄の材料は旋盤などの一般工作機械のみの使用では精度を出す事が難しいのです。
弊社では研磨加工の設備はありませんが、研磨加工をすれば、きちんとした精度を出す事が出来ます。
ベアリングや焼入シャフトなどの多くは、そのようにして製造されています。
しかし研磨加工のコストを考えると、特に試作のような一品物の場合は、工作機械のみで済めばその分安くなるわけです。
鉄に比べステンレスは粘りがあって切削がし難く、これもやはり研磨をする事で精度が出し易くはなりますが、工作機械だけでも十分精度を出す事が出来ます。
しかも鉄のように錆びる事がないのでメッキ処理が不要で、経年変化等を考えると有利な点が多くあります。
では精度がそれ程必要ない部品はどうか、と申しますと、これも弊社ではステンレスの方が安価になります。
弊社では創業当初から光学部品を製作しておりますが、光学機器の多くは、鉄の材料は使用しません。つまり鉄を切削した経験が余り無いのです。
加工性に関しては上述の通りステンレスの方が難削材ですので、焼きを入れたり、剛性を高めたいような部品には、今も昔も鉄材で部品を製作しておりますが、その比率は、ステンレスが100なら、鉄は5以下です。
従いましてステンレスの加工なら馴れており、切削の手順やコツ、ノウハウを多数蓄えておりますが、鉄に関してはその為の設備が整っていないのでコストが上がってしまう、という訳です。
また、ステンレスの仕上がりの良さは沢山の方がご存じだと思いますが、普通に切削しただけで光沢があり、弊社製タンパーのように、インテリアとして置いておくだけでも大変魅力があります。
鉄にメッキをしただけでは、この質感は得られません。
アルミとステンレスではステンレスの方がコストが掛かりますが、その魅力に引きつけられた方は多く、ステンレスでなくては、というお客様も多数いらっしゃいます。
少し冗長気味になり申し訳ありませんでしたが、以上のように、弊社ではステンレスを得意としておりますので、鉄材からの置換えをご検討されている方、ステンレスは高価だから・・・という方は是非ステンレスの部品でお見積りをご依頼ください。
鉄材やアルミ材との比較見積もご遠慮なくお申し付けください。
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