真ちゅう製軸
軸受けや軸そのものによく使われている、真ちゅうを素材とした製品をご紹介します。
詳しくはお聞きしなかったので用途は分かりませんが、中が空洞になっており、横穴が数カ所、そして二種類のオスネジがあります。
ここでネジに関して、今後弊社にご依頼頂く方に説明させて頂きたいと思います。
ネジ製品は一般にどの家庭にもあり、広く出回っていますが、それを作るとなると単純なものではありません。
何故かと申しますと、例えば写真の部品ではM14x1.0というネジとM15x1.0という2種類のネジがありますが、一口にM14、M15と申しましても、実際には14mmではなく14.5mmだったり、15.5mmだったりする事があります。
JISやISOの規格ではきちんと定められてはいますが、ネジとナットがお互いに入れば使えるので、実際にはそこまで厳密に作られている事は余りありません。
規格のネジゲージに合わせて加工するのは、光学部品ではごくごく普通のことですが、安価な製品や、一般的な工業製品では、そうではない場合が多いです。
弊社で規格通りに作ったとしても、相手のネジが規格外の場合、ネジが入らなくなり、使用できませんので、ネジの場合は相手部品を必ずお借りする事にしています。
もちろん、オスネジとメスネジを一緒にご依頼頂く場合で、お互いに入れば良い、と言う場合はこの限りではありません。
今回ご紹介する部品は、写真に写っている物一つだけですので、相手のネジをお借りしたかったのですが、実はお借りしていません。
上の文と矛盾していると思われるかも知れませんが、相手の部品は大きな装置で、運ぶ事が出来ず、その代わり、今使っているオスネジの部品がある、との事でしたので、このような場合、そのオスネジをお借りして、同等のネジを加工する、と言う事が可能です。
ただ、オスネジを測定して加工するわけではなく、オスネジに入るメスネジを一旦製作し、そのあと、そのメスネジに合うように新規部品を製作する、という少々回りくどい方法で製作しなくてはなりません。
ネジというのは少し寸法が違っただけで入りませんので、このような方法は弊社でも長年行ってきましたし、一般的な方法だと思います。
メスネジを作らなくてはならないので、その分コストは上がりますが、お客様にご了承頂いた上で、製作しております。
※
相手部品が市販のビスであったり、タップを使用したメスネジの加工は多少ゆるいネジにはなりますが、一般の規格で十分ですので、その場合にはネジをお借りする事はありません。
今回の例は、M14x1.0という、市販のビスやメスネジ穴には使われないサイズの場合をご紹介致しました。