ステンレス、素材の違い
アルミ、ステンレスと申しましても、弊社で取り扱うだけで、アルミは5種類ほど、ステンレスは10種類ほどございます。
しかも上の写真のように、同じ種類のステンレスであっても、材料を買った時の外観は全く異なることに驚くのではないでしょうか。
当ブログでは何度もご紹介しておりますが、左の光沢がある方が、「SUS304-2B」という材料で、右が「SUS304」です。
どなたでも2B材の方をご希望されるかと思いますが、2B材は厚さ6mmまでしかなく、しかも寸法がマイナスしているので、6mmで購入しても実際には5.8mmしか無い、と言うのが普通です。
精密加工の世界では0.1mmはかなり大きな誤差ですので、図面を頂いた際、板の厚みが6mmという指定になっている場合には、8mmのSUS304材を購入し、両面を約1mmずつ削って6mmに仕上げます。
(7mmのステンレス材はありません。)
当然ながら削る分だけ手間が掛かるので、コストが上がります。
既知の企業様の場合にはお尋ねすることはありませんが、新規のお客様や個人のお客様には、5.8mmでも良いかお尋ねして、了解を得られた場合には2B材を購入して、5.8mmのままお納めすることにしています。
材料がマイナスしているのは普通のSUS304も同じですが、ご覧のように鋳肌のような、コンクリートのような状態ですので、きちんと平面を出す為に、両面を切削するのが通常の方法です。
色は黒ずんで見えますが、実際にはグレーです。
ステンレスの板は家庭用のキッチンパネルやシンクなど、薄い板で加工する物が多く流通している為、2B材のような綺麗な材料があるのですが、厚い物やブロックは需要が無い為、切削せざるを得ないわけです。
しかしながらアルミの場合はフラットで、何もしなくても精度が出ている材料がかなりの厚さまで揃っていることを考えると、ステンレスの材料メーカー次第でこの問題は解決できるのではないかと思うところです。