ステンレス部品
- 2009/10/20 17:28
ステンレスも色んな種類がありますが、弊社でよく扱うのはそのうち、SUS304、SUS303、SUS316、SUS440Cなどです。
一般的に知られているステンレスは、ほとんどSUS304だと思います。キッチンの天板などの薄い板や水回りの光沢を放っている部品がそうです。
実はこのSUS304という材料は、打ち抜きや板金加工には適していますが、切削加工には適していません。粘りがあってバリが発生しやすく、切り粉の捌けがよくありません。
この点を改良したのがSUS303で、そのことをご存じのお客様はSUS303で材質を指定しています。
アルミや真ちゅうに比べれば加工性は悪いですが、ステンレスの中では一番加工性がよく、作業もはかどりますのでその分コストも下がります。
どれくらい違うのかは部品の内容によって異なりますので簡単には申し上げられませんが、少なくとも2割程度はお安くなるとお考え頂きたいと思います。
SUS303は304に比べて磁性が強いことや真空中でガスを発生したり、外観が多少劣るなどデメリットも多いですが、光学部品でもよく使われていますし、個人のお客様が一般に使う分には全く問題ないと思いますので、304とご指定頂いた場合でも、まずは303への変更をお勧めしています。
写真の部品は旋盤で加工しただけで磨きは一切行っておりませんが、比較しない限りは外観が劣っているとは気がつかないのではないでしょうか。
色味で申しますと、303の方が多少黒っぽく、304の方が明るく黄色っぽい感じに光ります。ニッケルに近い風合いです。
逆に、少しでも安く、と303をご指定頂いても、薄い板などは304しか材料が手に入らない場合もあります。
この場合は当然304への変更をお願いしますが、薄い板の加工は303でも304でも価格は変わりませんので、最初から綺麗な材料が手に入る304をご指定頂きたいと思います。