設計
最初の記事で現在開発中の部品について触れておりますが、設計の模様を少しだけご紹介したいと思います。
※これは弊社が設計・製造を請け負ったもので、通常はお客様の図面を公開する事は一切ありません。
十数年前までは手書きによる設計・製図が普通でしたが、最近は手書きの図面を見る事は少なくなりました。
大変よく描かれている手書きの図面を見ると、感心してしまいます。
CADの進歩により、設計はもちろん、製図に掛かる時間を大幅に短縮できるようになりましたが、丁寧に描かれた手書き図面は暖かみがあり、無くなって行くのは寂しい感じもします。
さて、簡単な部品を一枚描く場合、不慣れなCADオペレーターでしたら、手書きの方が早いこともあると思いますが、組み立てや勘合の必要な部品は、CADの力を借りると、とてもスムーズに設計ができます。
2DのCADの場合は、コンピューター上で描いていても、結局手書きの延長に過ぎず、立体的な把握は人間が想像するしかありませんが、3DCADの場合は、上の写真のように一目で形が想像できます。
これは設計者が形状を理解しやすいのも勿論ですが、お客様に提案する時、何より都合が良いのです。
部品Aと部品Bがベアリングを介して直角に交わり、と、2Dの図面と文章でお伝えする事は出来ますが、それよりも、この画像を見て頂いた方が簡単・確実です。
しかも現在は、このような2Dの画像ではなく、3DのオブジェクトをPDFファイルに貼付ける事も出来るので、お客様がマウス操作で、例えば裏側を見たり、断面を見たりする事が自由になりました。
回転や昇降するものに関しては、ムービー形式のファイルをPDFに貼付けてプレゼンすることもあります。
上の写真は一部分だけですが、実際は50個以上のパーツで構成されており、それを手書きの図面で、2Dの図面で紹介していたら・・・と思うといかに昔は大変だったか、その苦労が忍ばれます。
現在弊社では、このような大がかりな装置でも設計・製図の費用は頂いておりませんが、昔であったら専門の設計者が1ヶ月以上掛かって設計していたと思いますので、無償というわけには行かなかったでしょう。
弊社が無償で設計できるのも、3DのCADによるお陰と言っても良いと思います。