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2009年08月の記事は以下のとおりです。

パソコン用部品

  • 2009/08/31 11:36
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ファイル 11-1.jpg

パソコンの裏面にある、PCIスロットのカバーを加工しました。

お客様から市販されているカバーをお預かりし、指定の寸法で加工致しました。

元のカバーには穴は一部しか開いておりませんでしたが、角穴を2カ所、皿穴を2カ所、追加で加工致しました。

角穴を開ける場合、市販品などの大量生産品は打ち抜きで加工されている物が多いですが、弊社は板金加工の設備はありませんし、打ち抜きは精度が出せないので、弊社ではこのような加工はワイヤーカット放電加工機を使用します。

放電加工機を使用する場合に気を付けなくてはならないのは、メッキ処理されている時です。今回のご依頼品は、材料が鉄で、ニッケルメッキが施されておりました。
アルマイトのように電気を通さないメッキはもちろん、今回のようなNiメッキでも、電気の通りが通常とは異なる条件になるので、調整が必要になり、過去のデータから加工条件を割り出して加工致しました。

このワイヤーカットという工作機械の加工精度は、フライスなどの一般的な機械よりも数段上を行きます。
精度の証明としても利用できそうな製品を現在試作しておりますので、順次ご紹介していきたいと思います。

また今回のカバーでは、特殊な角度の皿穴加工を行いました。
通常、皿ビスは90度ですので皿穴も90度で加工しますが、今回、カバーと一緒にお預かりした相手のネジを計測したところ、120度程度ありましたので、急遽120度の刃物を製作し、加工致しました。

刃物についてもいずれご紹介できると思いますが、求められた形状に対し、刃物を製作する、という事は試作・開発の製作では非常に多いケースとなります。

一般に市販されている刃物で加工できない場合、ドリルメーカーなどに依頼して特注で製作を依頼する事も出来ますが、コストと納期がとても掛かりますので、その費用をお客様にご負担頂くよりも弊社で製作した方がずっと安く済む、という訳です。

タップや超硬の刃物など、弊社でも製作できない刃物がありますが、そのようなケースの場合は、お客様に刃物の費用をご負担頂いております。
もちろん事前に価格をお知らせしますので、価格に見合わない場合には、その部分の形状を変更したり、コストダウンしてご注文頂くこともあります。

※注
現在、追加工(既存部品への加工)はお引き受けしておりません。

ペン先

  • 2009/08/27 14:33
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ファイル 9-1.jpg

個人のお客様へ納品致しました。タブレット用のペン先です。

私共はグラフィックに関しては勉強不足でよく知らなかったのですが、今のタブレットは筆圧を感知するのではなく、センサーのようなもので位置情報を読み取っているようです。

つまり、ボールペンなど、ペンなら何でも良いというわけではなく、タブレット付属の専用ペンでなくてはならない、というわけです。

この付属ペンにはプラスティック製のペン先が標準で付いていて、当然ながら摩耗しますので、これは消耗品と言えるでしょう。

今回のお客様のように、ペン先を金属製に変えて、いつまでも同じ書き味(?)を保とう、というご要望も当然だと思いました。

材質については、ステンレス、真ちゅう、アルミ、の3種類で製作致しました。材質によって書き味が変わると言う事で、プロフェッショナルなこだわりを感じました。

ただタブレット本体は、表面はガラスなりプラスティックなり、金属で擦ると傷が付く恐れもありますので、表面を綺麗に磨いてからお納めしました。

お客様から、ご満足頂いたとのご連絡を頂き、大変うれしく思います。

図面

  • 2009/08/26 09:45
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ファイル 8-1.gif

上の画像は、以前製作した個人のお客様からご依頼を受けた図面です。
いわゆるポンチ絵を頂きましたが、弊社で加工用図面として描き直しました。

この部品はヨットで使用される部品で、他にも同時に何点かご依頼を受けましたが、その基部になるものです。
材質はステンレスです。

実際には図面中に材質や製図した日付、製図した人の名前、品名などが描かれますが、ここでは省かせて頂きました。

ポンチ絵の多くは、きちんと描かれていて、この部品でもお客様から丁寧なものを頂きましたが、工業用として、加工用として使うには問題がある場合もあり、そのような場合、弊社の方で独自に描き直させて頂いております。


さて、図面を描く上で気を付けておきたい点は、図面は飽くまでも加工者の為のものである、と言う事です。
近年CAD化が進んで、誰でも図面を描けるようになりましたが、難解な図面は加工者を悩ませ、結果ミスが起きやすくなります。
加工する側で気を付ければ良い、と言えばそれまでですが、弊社では、図面に関する事は製図した者の責任である、と考えています。

一般的な工場であれば製図までは行いませんのでこのような考え方は生まれないかも知れませんが、弊社では創業当初から製図を行っており、製図の苦労も理解した上での考えです。

光学業界においては、非常に優れた図面が多いです。
部品そのものも精度を要する物が多いですし、外装・内装部品に関わらず、見た目の良さ、仕上がりの良さを求められます。

そう言う意味では弊社は創業当初から鍛えられていますので、どんな品物でも丁寧に製作するよう心がけています。

一つの例として、上の図面では左上に三角形が3つ並んだマークがありますが、これは仕上げ記号と申しまして、簡単にご説明しますと、3つで上仕上げ、2つで並、と言った具合に、見た目を綺麗に仕上げなさい、という意味になります。

この図面では分かりやすく明示してありますが、弊社で製図する図面は基本的にはこの仕上げ記号は書きません。
3つの上の4つという仕上げがあるのですが、そのような、特別な仕上げの場合を除き、全ての部品が上仕上げ、という基本方針があるからです。

これは弊社に限らず、光学部品を扱う全ての部品メーカーが同じ方針で製作していると思います。
よって光学製品を製作しているメーカーは、弊社以外でも、同じ業界として、とても安心感があるのです。

図面の話から脱線してしまいましたが、部品そのものだけではなく、図面もきちんと仕上げる事で、良い製品を間違いなくお客様にお届けできるのです。

※弊社は部品を製作する工場であり、設計・製図は部品製作のご依頼を受けた場合に限り行っております。
設計・製図は無償であり、設計・製図のみのご依頼は受け付けておりませんので、何卒ご了承ください。

新宿

  • 2009/08/24 16:06
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新規のお客様が驚かれ、たまにご質問頂く事に、「新宿に工場があるのか」というものがあります。
新宿というと高層ビル群に代表されるオフィス街をイメージされる方が多く、町工場があるとは思えない、と言うのも仕方ないと思います。

上の写真は弊社屋上から東京都都庁方面を撮影したもので、大学の新校舎が建設されてからは、残念ながら高層ビル群の全景は見られなくなってしまいました。
夜になるとそこだけ明るく照らされるので、景色は中々良かったのですが・・・

さて新宿区という場所は、新宿駅近辺は高層ビルが建ち並んでいますが、その周囲には小さな工場が意外と多いのです。
そのほとんどが印刷工場で、大日本印刷に代表される大企業の幾つかが新宿やその周辺に多いので、昔からその下請けの工場が沢山あるのです。

その多くは戦後の復興時に設立されたような古い工場も多く、今でも頑張っている印刷屋さんは弊社の周りにも沢山あります。

残念ながら、弊社のような精密加工業の工場はほとんど無くなってしまいましたが、数十年前までは、かなりの数があったようです。

精密加工の企業は、特に量産体制を持つ工場が長野県や群馬県などの地方へ移転してしまいましたが、弊社は小さな部品を一点一点手がけるような工場ですので、必要最低限の設備で色んな部品を製作しており、もちろんお客様は都内にある企業が多く、地の利を生かしてスピーディーな対応を心がけております。

現在は宅急便という強い味方がありますので、お客様は全国にいらっしゃいますが、「新宿」の知名度に負けないよう、全国区の町工場として頑張って行きたいと思います。

設計

  • 2009/08/21 10:43
  • カテゴリー:

ファイル 6-1.jpg

最初の記事で現在開発中の部品について触れておりますが、設計の模様を少しだけご紹介したいと思います。

※これは弊社が設計・製造を請け負ったもので、通常はお客様の図面を公開する事は一切ありません。

十数年前までは手書きによる設計・製図が普通でしたが、最近は手書きの図面を見る事は少なくなりました。
大変よく描かれている手書きの図面を見ると、感心してしまいます。
CADの進歩により、設計はもちろん、製図に掛かる時間を大幅に短縮できるようになりましたが、丁寧に描かれた手書き図面は暖かみがあり、無くなって行くのは寂しい感じもします。


さて、簡単な部品を一枚描く場合、不慣れなCADオペレーターでしたら、手書きの方が早いこともあると思いますが、組み立てや勘合の必要な部品は、CADの力を借りると、とてもスムーズに設計ができます。

2DのCADの場合は、コンピューター上で描いていても、結局手書きの延長に過ぎず、立体的な把握は人間が想像するしかありませんが、3DCADの場合は、上の写真のように一目で形が想像できます。

これは設計者が形状を理解しやすいのも勿論ですが、お客様に提案する時、何より都合が良いのです。
部品Aと部品Bがベアリングを介して直角に交わり、と、2Dの図面と文章でお伝えする事は出来ますが、それよりも、この画像を見て頂いた方が簡単・確実です。
しかも現在は、このような2Dの画像ではなく、3DのオブジェクトをPDFファイルに貼付ける事も出来るので、お客様がマウス操作で、例えば裏側を見たり、断面を見たりする事が自由になりました。

回転や昇降するものに関しては、ムービー形式のファイルをPDFに貼付けてプレゼンすることもあります。

上の写真は一部分だけですが、実際は50個以上のパーツで構成されており、それを手書きの図面で、2Dの図面で紹介していたら・・・と思うといかに昔は大変だったか、その苦労が忍ばれます。

現在弊社では、このような大がかりな装置でも設計・製図の費用は頂いておりませんが、昔であったら専門の設計者が1ヶ月以上掛かって設計していたと思いますので、無償というわけには行かなかったでしょう。

弊社が無償で設計できるのも、3DのCADによるお陰と言っても良いと思います。

テフロン加工

  • 2009/08/20 11:03
  • カテゴリー:

ファイル 5-1.jpg

テフロン加工と申しますと、一般的にはフライパンなどに施されているテフロンコーティングを想像される方が多いと思います。
弊社でも「フッ素系ドライルーブ」として取り扱っておりますが、工業用としては、耐摩耗性、耐熱性の用途に使用されています。

しかしながら弊社では、金属に対し表面をテフロン化するのではなく、テフロンそのものを加工する事が多いです。

テフロンは上にも書きましたが摩耗に対する耐久性が高く、例えば金属製の容器の中にテフロンで出来た棒状の物を入れて、圧力を掛けたり熱を掛けたりして使用します。
一般の金属やプラスティックですと、ある程度の力や熱を加えると割れたり溶けたりしますが、テフロンにはそれらを上回る性能がある、と言うわけです。
また柔らかいので伸びたり縮んだりして割れるのを防ぐ性質もあります。

加工する側からしますと、この柔らかいと言うのは非常に厄介で、簡単に申しますと、柔らかいゴムがナイフで切り辛いのと同じ理由です。
ゴムも同様に加工し辛いものですが、ゴムの場合はボロボロと崩れやすく精度が出し辛いので、弊社では余り取り扱いがありません。
テフロンの場合は崩れたりせず、加工の際の熱によって溶けたりもしないので、そう言う面ではゴムよりは加工はし易いのですが、0.01mm単位の加工精度を求めるとなると、やはりそこは経験が必要になります。

上の写真は外径が2mmで内径が1.5mm、厚みが0.5mmと、大変小さな部品ですが、これは一般的によく目にするような、プラスティック成型品と違い、棒材から削りだして製作しています。

内径や厚みの精度は求められていないので±0.1mm程度の誤差は許容範囲ですが、外径の精度は0.01mm単位となっております。
柔らかいので指で摘んだだけで簡単に変形してしまいますが、お客様側では慎重に取り扱い、やはりこれだけの精度が必要とのことで、安心して使って頂けるようにこちらも最新の注意を払って製作しております。

金属加工業の業界では、一般的には、金属が削れるならプラスティックも削れるもの、として知られていますが、このように、プラスティックでも切削が難しい材料があります。

弊社ではもちろん、金属に限らず、あらゆるプラスティックの製作も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

ステンレスについて

  • 2009/08/17 17:10
  • カテゴリー:

ファイル 4-1.jpg

昨今、鉄という材料は安価というイメージが、ステンレスは逆に高価というイメージをお持ちの方が多いかと思います。

確かに材料の価格はサイズにもよりますが、価格は鉄に比べステンレスの方が3~4倍するのが通常ですし、加工性が悪いので同じ加工内容でしたら通常やはりステンレスの方が価格は上がります。

しかしながら、弊社の場合はステンレスの方が安価になります。
1mを超えるような大きな材料になりますと、材料費の分、ステンレスの方が高くなる場合もありますが、弊社では大きな部品は余り扱わない為、コストを占める割合は加工費の方が高くなります。

では、何故ステンレスの加工費が安く済むのかと申しますと、鉄系の材料の多くは寸法精度が出しにくいのです。
弊社では、0.01mm以下の精度を必要とする部品を多く扱いますが、鉄の材料は旋盤などの一般工作機械のみの使用では精度を出す事が難しいのです。
弊社では研磨加工の設備はありませんが、研磨加工をすれば、きちんとした精度を出す事が出来ます。
ベアリングや焼入シャフトなどの多くは、そのようにして製造されています。
しかし研磨加工のコストを考えると、特に試作のような一品物の場合は、工作機械のみで済めばその分安くなるわけです。

鉄に比べステンレスは粘りがあって切削がし難く、これもやはり研磨をする事で精度が出し易くはなりますが、工作機械だけでも十分精度を出す事が出来ます。
しかも鉄のように錆びる事がないのでメッキ処理が不要で、経年変化等を考えると有利な点が多くあります。

では精度がそれ程必要ない部品はどうか、と申しますと、これも弊社ではステンレスの方が安価になります。
弊社では創業当初から光学部品を製作しておりますが、光学機器の多くは、鉄の材料は使用しません。つまり鉄を切削した経験が余り無いのです。
加工性に関しては上述の通りステンレスの方が難削材ですので、焼きを入れたり、剛性を高めたいような部品には、今も昔も鉄材で部品を製作しておりますが、その比率は、ステンレスが100なら、鉄は5以下です。

従いましてステンレスの加工なら馴れており、切削の手順やコツ、ノウハウを多数蓄えておりますが、鉄に関してはその為の設備が整っていないのでコストが上がってしまう、という訳です。

また、ステンレスの仕上がりの良さは沢山の方がご存じだと思いますが、普通に切削しただけで光沢があり、弊社製タンパーのように、インテリアとして置いておくだけでも大変魅力があります。
鉄にメッキをしただけでは、この質感は得られません。

アルミとステンレスではステンレスの方がコストが掛かりますが、その魅力に引きつけられた方は多く、ステンレスでなくては、というお客様も多数いらっしゃいます。

少し冗長気味になり申し訳ありませんでしたが、以上のように、弊社ではステンレスを得意としておりますので、鉄材からの置換えをご検討されている方、ステンレスは高価だから・・・という方は是非ステンレスの部品でお見積りをご依頼ください。

鉄材やアルミ材との比較見積もご遠慮なくお申し付けください。

メッキ処理

  • 2009/08/12 10:07

ファイル 3-1.jpg

先日ご紹介した真ちゅう製カメラアダプターは、メッキ処理して、無事お客様へ納品させて頂きました。

真ちゅうへのメッキで一般的なのはクロームメッキやニッケルメッキですが、光学製品で多いのは黒ニッケルメッキや黒亜鉛メッキです。
略称ではそれぞれ、BNi、BZnという表記になります。

黒ニッケルメッキは黒と名前が付いていますが、見た目はほとんど黒くなりません。通常のニッケルメッキにスモークが掛かった、という表現が合ってると思います。

光学製品だとレンズ回りの製品はほとんどが黒のツヤ消し仕上げが多いですが、レンズに関係のない部品で、特に外装部品などは見た目の良さから黒ニッケルを選択される場合が多いです。
黒ニッケルについてはまたの機会にご紹介したいと思います。

今回は価格の安さからと、レンズ回りの部品なので完全な黒に染まる黒亜鉛メッキにて処理させて頂きました。

見た目も勿論ですが、腐食防止や、ネジのカジリ防止、耐久性の向上など、メリットは多数あります。
コストが上がってしまうので、個人の方には余りお勧めはしていませんが、お見積りやお問い合せの際に、ご相談ください。

カメラ用部品

  • 2009/08/10 17:34

ファイル 2-1.jpg

個人のお客様からのご依頼品です。

カメラ用の装置を現在お持ちで、異なるタイプのカメラを取り付ける為にアダプターが必要との事で、こちらで参考になる部品をお預かりして、製図してから加工しました。

外周にあるタップ加工、内径のメスネジ部は、こちらで測定し、図面に反映してあります。

材料は真ちゅう(C3604B)です。

ブログスタート

  • 2009/08/06 09:00
  • カテゴリー:

本日から、ミクロ工業の営業担当よりブログを配信致します。

ブログについてはほとんどの方がご存じですので説明は不要かと思いますが、ここでは弊社がどんな製品を作っているのか、その一部をご紹介していきます。

企業様からのご依頼品はほとんど紹介できない為、主に個人のお客様からのご依頼品となります。

ファイル 1-1.jpg

上の画像は現在弊社が開発中の部品です。
これはお客様からご要望を頂き、弊社で設計・製図を行っている為、公開する事が可能ですが、通常、お客様から頂いた図面を公開する事は一切ありません。

この部品はパーツ数50点以上からなる装置の一部です。
製作の段階に入りましたら状況に応じてご紹介して行きたいと思います。

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